人々がいちはらに暮らし始めたのは、なんと旧石器時代とのこと。
縄文時代には多くの貝塚が作られ、奈良時代には上総国の国府と国分寺が置かれた重要な地でありました。
歴史博物館では、太古の昔からちょっと昔の暮らしまで、約3万5千年にわたる市原の歩みが体験できます。
「国府」とは、奈良時代における地方の中心となる役所のこと。
当時の千葉県は「下総国」「上総国」「安房国」の3つに分かれており、「上総国」の国府が置かれていたのが市原市でした。
そして展示の中でも、特に注目したいのは、稲荷台1号墳出土の「王賜」銘鉄剣。
こちらは、国産最古の有銘鉄剣と言われています。
国宝級の至宝を、博物館では間近で見ることができます。
照明や展示の仕方など、神秘的な雰囲気を味わえるように設計の段階からこだわりをしっかりと入れているところも見どころの一つです。
市原歴史博物館の特徴のひとつに、併設の歴史体験館があります。
こちらには発掘体験や古代住居体験のほか、勾玉づくりや貝輪づくりなどの体験プログラムが用意されています。
「見る」だけでなく、「参加する・体験する」ことで記憶に残る学びを実践しています。
週末には多くの子供たちがいちはらの歴史を肌で感じ、学びと遊びを一緒に体験しながら楽しんでいるている様子が見受けられます。
また「フィールドミュージアム」として、市内各地に点在する歴史遺産を巡る見学環境を整備する試みも進行しています。
こちらは令和2年度からスタートし、市民と博物館が協働してフィールドマップを作成し、現地の見学環境を整備しています。
市民が主催するフィールドワークも数多く企画されており、地元の歴史的価値の再認識や地域の活性化に繋がっています。
現在、16の地区におけるフィールドマップが出来上がっています。
フィールドマップは市原歴史博物館で配布しているほか、公式サイトからのダウンロードも可能です。
人口減少や少子高齢化により、歴史遺産を支えてきた地域社会の衰退や担い手の不足などが問題になっています。
こうした課題を解決していくためには、行政からの一方的な教育や講座だけでなく、市民同士の関わりや勉強会が重要になってきます。
市原歴史博物館のコンセプトは、「市民を、主人公に」。
この土地の歴史的な魅力を再発見し、体験に満ちた学びの場を提供することで、市民ひとりひとりが繋がりを感じられる博物館を目指しています。
歴史の息吹に満ちたいちはらの世界を、ぜひ体験してみませんか?